便秘について

便秘がもたらす症状は単におなかの張りや痛み、おならが出やすくなるだけでなく、肌荒れ、にきび、しみ、そばかす、イライラ、不眠などの神経精神病状やお肌の荒れなどを引き起こします。
便秘は様々な原因があります。ストレス社会の現代では、精神的ストレスに起因する便秘も増えており、また、大腸癌、直腸癌などの重大な悪性疾患が隠れていることもあります。

便秘の原因

すみやかに肛門科等の医療機関を受診し治療をしなければならないケースもありますが、多くの便秘はカウンセリングにより食事と生活を改善する事で、薬を使わずに治すことができます。また、肛門科での腸洗浄療法(洗腸エステ)を数回行うことで宿便を解消し、腸の蠕動機能の回復を促すことで、慢性の便秘や下痢に悩む患者様の症状を改善いたします。
長い間便秘でお悩みの方、一度あなたの便秘の原因を調べ、肛門科での適切な治療とカウンセリングを受けることをおすすめします。

当院での便秘の診断法

① 問診票を用いた症状のチェック
② 腹部X線検査による腸管内のガスや便塊の貯留を観察
③ 注腸造影検査による大腸の形状と病変の有無をチェック
④ X線不透過マーカーを用いた、腸管の運動排出機能の検査
⑤ 直腸肛門内圧測定による直腸肛門機能検査

便秘を治すには

食生活を含めた生活習慣改善と運動不足を解消することが根本的な解決法となります。
しかし、慢性化した便秘や下剤の常用により、腸の働きが低下しているため、正常な働きを取り戻すまでに約半年(個人差はあります)くらいかかります。

当肛門科の便秘治療プログラムは、体質を改善し、腸が正常な働きを取り戻すまでの間、腸の働きをサポートします。
常用下剤の減量、生活習慣の問題点の改善等、肛門科医師の指導に従っていただき、治療を続けていただくことで、便秘体質を改善し、下剤を使用しないで快食快便が得られる様になります。

治療に要する期間は、数ヶ月~半年で、当肛門科への通院回数は約10回程度を要します。最初の2ヶ月は著明な改善が得られませんが、ここで続けていただくことが重要です。

重症の便秘症の方は、腸洗浄療法を組み合わせることで症状の改善がスムーズとなり、治療期間を短縮することができます。
肛門科で腸洗浄療法を行う場合、特に初回からの3回を短期間に続けて行う事で効果的な治療が望めます。
(通常2週間以内に3回施行し、その後は月1回程度を5~6回行う)
その他、分からないことがありましたら医師に御相談下さい。

手軽に始める便秘の治療法

食事療法

① 1日3食、規則正しく摂る。(特に朝食をしっかりと)
② 食物繊維の多い野菜類、海藻類を摂取する。
③ 水分の多い食物を多く摂取する。

運動療法

1日20~30分の早足で歩行やジョギングをする。 腹筋を強化するとともに、新陳代謝の活性化、自律神経のバランスの調整と、ストレスが解消されることにより、排便が促進されます。
毎日継続する事が大切です。

便秘が引き起こす症状

便秘は単にお腹の不快な症状を引き起こすだけでなく、宿便によって腸内に貯蓄した毒素(有害物質)や腸内細そうの異常によって大腸癌の原因となったり、肌の荒れやツヤの衰え、腰痛、冷え性といった全身的な体調不良や病気をもたらします。
次に、便秘が引き起こす様々な症状について記載します。

・吹き出物、しみ、にきびが出来る ・冷え性である
・頭痛、肩こり又は腰痛がある ・気力がない
・よくのぼせる ・イライラする、よく眠れない
・食欲がすすまない ・口臭がある
・肌荒れ、顔色が悪い ・オナラが多く、臭い

肛門科の腸洗浄療法は単に貯まった便を排泄させる為に行うのではなく、腸を洗浄する事により、腸内毒素を洗い流し、悪玉菌が増殖して腸内細菌を善玉菌(乳酸菌ビフィズス菌)を主体とした腸内環境に改善する作用を促します。
さらに温水による腸の刺激は、腸の働き(蠕動運動)を活発にし、自力で便が排泄できるよう腸をトレーニングします。また、腸から水分吸収を良くし排便リズムを整える働きもあります。

便秘症の大腸内視鏡所見と最新の知見

弛緩性便秘症

加齢、便秘薬(大腸刺激性下剤)常習等により大腸の働きが低下した為に、引き起こされる便秘。
内視鏡像では腸の粘膜の色素沈着と腸壁の堅張や壁厚の低下を認めます。

痙攣性便秘 過敏性大腸症候群(便秘型)

最近最も見られるタイプの便秘症。腹満感、腹鳴、腹痛、残便感などの多彩な症状を伴うことが多い。
内視鏡所見では腸管のれん縮(内腔が痙攣し、収縮する事により、便の通過が困難になる)腸壁の緊張強く、ファイバー挿入時に痛みに対し過敏であることが多い。

思春期から就職、結婚等を契期に発症することが多いが、ストレスの多い現代社会では中高齢者にもこのタイプの便秘が見られる。通常(市販)の緩下剤を常用することで次に述べる、難治性の混合型便秘症となっている患者さんも多くなってきている。

混合型便秘症

もともと痙攣性便秘症であったが、下剤の常用により腸の働き(蠕動運動)の低下も合併したタイプの便秘症。

内視鏡像では痙攣性便秘の特徴である腸管のれん縮と弛緩性便秘の特徴である腸粘膜の色素沈着を観察できる。

直腸型便秘性、直腸瘤

高齢者に多いタイプの便秘症で排便反射や直腸肛門機能の低下により、直腸に貯留した便をスムーズに排出できないために起こる。
女性では骨盤底筋や直腸膣隔壁の脆弱化により直腸前壁が膣後壁に膨隆するため、スムーズな排便が困難となる直腸瘤という疾患も見られる。いずれも膣後壁や肛門周囲を手で圧迫することで排便が容易になることが多いのが特徴。
直腸の拡張と壁の緊張低下そして直腸内便残留を認めます。

大腸過長症、内臓下垂症(落ち込み腸)、捻れ腸

物心がついた頃より便秘だった方に多いタイプ。
遺伝的要因も強く、生下時より大腸、特に横行結腸やS状結腸が長い人、腹部内臓下垂(特に胃腸の下垂)が強い人、大腸に強い捻れがある人に発症します。便秘には必ずその要因があります。
便秘の原因を正確に診断することと適切な治療を行うことで症状の改善が期待されます。

便秘症治療の第一歩は生活習慣の改善から

病気には、必ず原因があります。
生まれつきの体質が原因となる場合もありますが、ほとんどの場合は生活習慣に問題があり発症します。
また、弱い体質を持っていても、生活(生き方)の見直しにより改善できることが多いのです。

便秘についても同様です。生活習慣が原因で健康状態が低下してくると引き起こされます。
食生活では、水分、野菜、オリーブオイル、海藻類、発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌汁等)の摂取。適度な運動や便秘体操(腹筋を鍛え、腸を刺激する)、十分な睡眠(最低6時間以上)と、早寝早起き(夜10時就寝が理想、遅くても11時)、そして、ストレス、過労のない生活をすることで、自律神経(腸の働きに深く関与)を整えることが大切です。

したがって、便秘治療は根気よく生活習慣の悪い部分を1つ1つ改善していくことが必要です。

また、生活習慣を改善しても、その効果が出るのに多くの場合最低でも半年~1年は必要で、治療に時間を要します。

しかし、便秘を改善することは、健康状態を向上させることでもあり、体調が良くなるなど、そのメリットは大きいと思われます。

便秘外来

TOPへ戻る